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その六拾九 : 落ち葉ひろいの楽しみ(2)
10月下旬から11月初旬にかけて、ブナ林の林床は赤や黄色の落ち葉で地表が敷きつめられます。特にさまざまな形と色のバラエティーに富んだカエデ類の落ち葉拾いは、古くから日本人の秋の楽しみでした。
日本はカエデの種類が非常に多く、26種ほど知られています。私のフィールドである豊田市稲武町にある面の木峠ブナ原生林周辺では、1日で18種類ものカエデを見ることができます。
紅葉は、チドリノキ・カジカエデ・マルバカエデ・イタヤカエデ類・ヒナウチワカエデは黄色に、メグスリノキ・ミツデカエデ・ハウチワカエデ・オオイタヤメイゲツ・コハウチワカエデ・コミネカエデ・オオモミジ・ウリハダカエデは主に赤色に色づきます。しかし、赤色になる種類は、光条件によって黄色になる場合があります。
なかでも一番のおすすめは、メグスリノキです。
葉は1回3出の複葉で、名前もカエデらしくありませんが、その紅葉はナンバー1です。
表面が美しい赤色になるだけでなく、葉裏が白色を帯びていることから、青空に透かして見るメグスリノキの紅葉は本当に素敵です。
残念ながら見事な赤色はすぐに色褪せし、葉もバラバラに分解しやすいことから、紅葉の押し葉づくりが難しい種類です。
それだけに、上手に押し葉が出来た時の嬉しさはひとしおです。
「カエデの落ち葉いろいろ押し葉作り」はとても楽しい作業です。
愛知県のカエデ総集め、日本のカエデ総集めに挑戦してみてはいかがでし
ょう。
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(2013.11) |
北岡明彦さんを紹介します
1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、
日本全国を飛び回る。 名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、
一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。 その人柄にもひかれて 「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。
『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」 「瀬戸自然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。 |
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