※このコーナーは、みなさんのご質問やご意見をもとに執筆されています。どんなことでも、お待ちしています。
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その五拾弐 : 森を楽しむ(秋編) その2
どんぐりを楽しむパート2は、「どんぐりを食べよう」です。
日本産どんぐり約30種のうち、生のまま食べられるのは、ブナ・イヌブナ・シイ類3種・マテバシイ・イチイガシ・クリの8種類です。
シリブカガシの実は、食べられるということですが、私はまだ食べたことがありません。
このうち最高に美味しいのは、ブナです。
小粒で食べごたえは無いものの、脂肪分たっぷりで、ピーナツとアーモンドを足して2で割った味で、20粒も食べると小腹がふくらみます。
身近などんぐりで食べたいのは、シイ類です。小型のツブラジイも大型のスダジイも味は同じです。真っ白な子葉は、生のまま食べるとちょっと粉っぽくほとんど無味(よく噛んでいると少し甘くなる)であまり美味しくありませんが、弱火で炒ると非常に美味しくなります。
注意点は炒っている時にどんぐりがはぜると危険なことです。蓋をしないと5m以上も飛びますので要注意です。私は蓋付きのコッヘルをフライパン替わりに使い、携帯コンロで暖めます。じっくり5分位ゆすりながら炒ると、最初に白い湯気が出、次に香ばしいにおいがし、最後に蓋が跳びかねない程の勢いでパーン・パーンとシイの実がはじけます。少しはじけた頃がちょうど適期です。全部はじけるまで待つと、黒こげになってしまいます。
もうひとつの注意点は暖かいうちに食べること! 冷えると固くなって、歯が欠けそうになります。
神社の境内でシイの実を拾ったら、お賽銭をあげてから、ありがたくいただきましょう・・・・。
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(2012.11) |
北岡明彦さんを紹介します
1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、
日本全国を飛び回る。 名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、
一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。 その人柄にもひかれて 「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。
『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」 「瀬戸自然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。 |
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