バックナンバー
 vol.1
 里山が荒れてるって本当?

 ■vol.2
 木を植えることは善・・・?

 ■vol.3
 生物多様性ってなんだろう?

 ■vol.4
 雑木林的思考のすすめ

 vol.5
 ナラ枯れ病について想う
 ■vol.6
 「マンサクのファイトプラズマ
 病」の動向

ブナの若葉の写真
北岡明彦さんを紹介します
1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、日本全国を飛び回る。

名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。その人柄にもひかれて「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。

『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」 「瀬戸自ページを開いた本のイラスト然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。
■ラブリーアースJapan設立当初から、森林・自然にとどまらず、ものの見方、考え方など貴重なアドバイスをいただいています。

■このコーナーは、みなさんのご質問やご意見をもとに執筆されています。
どんなことでも、お待ちしています。こちらからどうぞ。


 その七 : 森林の持つ働き(生態系サービス)について、
        ちょっと考えよう


 森林の持つ働き(生態系サービス)は、大きく分けると@経済的機能とA公益的機能とになります。
 このうち、経済的機能には、
@-1木材生産機能と
@-2特用林産物生産機能(キノコ・山菜など)があり、
 公益的機能には、
A-1水源かん養・水量平準化機能
A-2土砂流出防止・山地災害防止機能
A-3地球温暖化防止
A-4生態系保全機能
A-5環境緩和機能
A-6大気浄化機能
A-7保健休養機能
A-8野外教育機能、などがあります。

  こうした働きの中で、今、私たちが最も必要としているものは、一体何でしょう。
  実は、内閣府が昭和55年からほぼ5年おきに、「国民が森林に期待する働き」に関するアンケート調査をしており、国民の要望が時とともに変化していることがわかっています。

  第1回の昭和55年はA-2が第1位、@-1が第2位、A-1が第3位でした。その後も、A-1とA-2は常にベストスリーに入っていましたが、@-1はどんどん低下し 、平成11年には最下位になってしまいました。そして、平成19年の最新調査では、A-3、A-2、A-1の順となりました。

  人工林の持つ最大の働きである木材生産機能は、国民からは、ほとんど期待されなくなってしまったのです。
  一方、公益的機能は一般的に天然林の方が高いことが知られており、どうやら、今は、人工林より天然林の方に、国民の期待が集中しているようです。

 愛知県の人工林率は64%で、全国の46%よりずっと高率です。しかも、間伐などの森林管理が手遅れ状態にある人工林が多く公益的機能の低下が大きな問題になっています。


 人が植えて作った人工林は、最後(主伐)まで人がしっかり管理をすることが必須です。
 多くの国民が期待する森づくりには、多くの人の支援と協力により、人工林の間伐を進めることが、今一番の課題です。











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