バックナンバー
■vol.01里山が荒れてるって本当?
■vol.02木を植えることは善…?
■vol.03生物多様性ってなんだろう?
■vol.04雑木林的思考のすすめ
■vol.05ナラ枯れ病について想う
■vol.06「マンサクのファイトプラズマ病」の動向
■vol.07森林の持つ働き(生態系サービス)について、ちょっと考えよう
■vol.08地球温暖化防止と森林の働き
■vol.09もうすぐクリスマス!
■vol.10自然界の落し物集め
■vol.11生物多様性条約第10回締結国
会議に思う
※このコーナーは、みなさんのご質問
やご意見をもとに執筆されています。
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 その拾弍 : 「楽しい春の森あるき」T

 立春を過ぎ、これから春の「森あるき」が一番楽しい時期がやってきます。

 その中でも楽しみなのは、スプリング・エフェメラル達との出会いです。日本語に訳せば、「春のはかない(花たち)」という意味で、「春緑植物」と呼びます。「常緑植物」や「夏緑植物」が一般的ですが、一部、「春緑植物」や「冬緑植物」もあります。

 春緑植物は、その字の通り“春3〜5月(寒冷地では5〜6月)のみ地上部に緑葉を出し、それ以外の9ヶ月は地中で眠る多年生植物”のことです。わずか3ヶ月の間に芽を出し、花を咲かせ、実をつけ、種子を散布してしまいます。
 一番有名なのはカタクリですが、他にもキンポウゲ科のフクジュソウ・セツブンソウ・イチリンソウ・ニリンソウ、レンプクソウ科のレンプクソウ、ケシ科のヤマエンゴサク・ムラサキケマン、ユリ科のアマナ・ミノコバイモ、サクラソウ科のサクラソウ、ゴマノハグサ科のツクシシオガマなど多士済々です。

 多くの種類は、落葉広葉樹林の住民で、まだ木の葉が出る前にさんさんと地上に降る陽光を浴びて育ち、木の葉が茂る夏以降はお休みするという生活史を持っています。もともとは、ブナ林や多雪地で発達してきた植物たちだと思われますが、石灰岩や蛇紋岩地帯に生き残ったり、里山林に進出したりしてきました。

 そんな可愛らしいスプリング・エフェメラルに出会える所をいくつか紹介しましょう。
 一番お手軽なのは、3月末〜4月中旬の豊田市足助町香嵐渓、ちょっと山登りしながらゴールデンウィークの鈴鹿山脈藤原岳、のんびり歩きながらの伊吹山北尾根がおすすめです。

 さあ、スプリング・エフェメラルに会いに出かけましょう!




    ※スプリング・エフェメラルの写真は
     こちらをごらんください。






北岡明彦さんを紹介します
 1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、 日本全国を飛び回る。
 名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、 一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。 その人柄にもひかれて 「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。
ページを開いた本のイラスト  『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」 「瀬戸自然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。





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