北岡明彦さんを紹介します
1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、日本全国を飛び回る。
名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。その人柄にもひかれて「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。
『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」
「瀬戸自然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。
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■ラブリーアースJapan設立当初から、森林・自然にとどまらず、ものの見方、考え方など貴重なアドバイスをいただいています。
■このコーナーは、みなさんのご質問やご意見をもとに執筆されています。
どんなことでも、お待ちしています。こちらからどうぞ。
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その九 : もうすぐクリスマス!
クリスマスになると思い出す樹木はホリーとヤドリギ。
ホリーは、アメリカヒイラギとセイヨウヒイラギ(セイヨウヒイラギモチ)の総称で、モチノキ科の常緑樹です。赤い実と先がトゲ状に尖った互生の葉が特徴で、
ヒイラギ(モクセイ科で葉は対生)とは全く無縁です。
一方、ヤドリギはヤドリギ科の半寄生樹木で、緑の葉で光合成を行いながら、寄生根を奇主の枝にくいこませ、水分などを吸い取っています。
ヤドリギについては、以前、南山大学宗教文化研究所にみえたJ.W.ハイジック博士に、こんなお話を聞いたことがあります。
「クリスマスの時に、居間の鴨居にかけられたヤドリギ。キリスト教ではヤドリギはエデンの園の禁じられた木であり、イエスの十字架を作った木だという伝説があるが、
古いドルイド教(樹木崇拝)の司教は聖なる木としてあがめていたし、北欧では、ヤドリギの小枝には、戦士にその武器を捨てさせ、互いを抱擁させる力があるという
信仰があった。」と・・・。
ミズナラやエノキに寄生したヤドリギは、冬になると、その姿が目立つようになります。ヤドリギとレンジャクの不思議な関係など、興味深い特有の生活史を持つヤドリギ。
みなさんも、一度その不思議さを感じて下さい。
そのためには、まず鮮黄色の実を味わってみるのが一番!
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(2009.11) |
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