バックナンバー
■vol.01里山が荒れてるって本当?
■vol.02木を植えることは善…?
■vol.03生物多様性ってなんだろう?
■vol.04雑木林的思考のすすめ
■vol.05ナラ枯れ病について想う
■vol.06「マンサクのファイトプラズマ病」の動向
■vol.07森林の持つ働き(生態系サービス)について、ちょっと考えよう
■vol.08地球温暖化防止と森林の働き
■vol.09もうすぐクリスマス!
■vol.10自然界の落し物集め
■vol.11生物多様性条約第10回締結国
会議に思う
■vol.12楽しい春の森あるき・T
■vol.13楽しい春の森あるき・U
■vol.14亜熱帯の森に遊ぶ
■vol.15「幸せの青い鳥」オオルリ
■vol.16マイ・フェイバリトゥ・スィング
※このコーナーは、みなさんのご質問
やご意見をもとに執筆されています。
どんなことでも、お待ちしています。
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 その拾七 : 無器用な水生昆虫は地球史の生き証人
          ヒメタイコウチ

 東海地方の湿地を観察していると、時々、黒っぽい3cm位の小さな昆虫ヒメタイコウチに出会うことができます。
 本種はタマムシやハンミョウのように美しくもなく、クワガタムシやカブトムシのように格好良くもありませんが、非常にユニークで貴重な昆虫です。

 ○どこがユニーク?
 水生昆虫なのに泳ぐのがへたで、水の中ではやがておぼれてしまいます。普段の生活場所は水の浸み出ている湿地で、餌も歩いて捜します。
 近縁種のタイコウチやミズカマキリのように、スーイ・スーイとはとても泳げません。無器用な水生昆虫です。

 ○どこが貴重?
 そんな泳ぐことが苦手な昆虫が、中国大陸東部の海岸〜朝鮮半島の海岸の中心分布域から日本海を隔てた、日本の徳島周辺・神戸周辺・東海地方に孤立して分布しています。
 これは、その昔、日本と大陸が連がっていた時代があり、その頃にヒメタイコウチは歩いて日本に渡ってきたことを示しています。
 まさに、地球史の生き証人なのです。






北岡明彦さんを紹介します
 1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、 日本全国を飛び回る。
 名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、 一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。 その人柄にもひかれて 「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。
ページを開いた本のイラスト  『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」 「瀬戸自然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。





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