バックナンバー
■vol.01里山が荒れてるって本当?
■vol.02木を植えることは善…?
■vol.03生物多様性ってなんだろう?
■vol.04雑木林的思考のすすめ
■vol.05ナラ枯れ病について想う
■vol.06「マンサクのファイトプラズマ病」の動向
■vol.07森林の持つ働き(生態系サービス)について、ちょっと考えよう
■vol.08地球温暖化防止と森林の働き
■vol.09もうすぐクリスマス!
■vol.10自然界の落し物集め
■vol.11生物多様性条約第10回締結国
会議に思う
■vol.12楽しい春の森あるき・T
■vol.13楽しい春の森あるき・U
■vol.14亜熱帯の森に遊ぶ
※このコーナーは、みなさんのご質問やご意見をもとに執筆されています。どんなことでも、お待ちしています。
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 その拾五 : 「幸せの青い鳥」オオルリ

 初夏の森で一番人気の野鳥は、オオルリです。
 まさに玉をころがしたような美しいさえずり、梢で高らかに縄張り宣言する雄の美しい青色、双眼鏡で見やすいことも相まって、探鳥会の人気者(鳥)です。

 英語名は「ブルーアンドホワイト フライキャッチャー」で、「背中が青く、腹が白いヒタキの仲間(フライキャッチャー=空中で餌を捕らえる鳥)」という意味になります。野鳥の英語名というのは、どうも名付け方が安易なものが多いように感じます。

 オオルリは4月中旬頃、越冬地の東南アジア方面からはるばるやってきます。あの小さな体で1000kmを超える長旅をし、その大半は東シナ海の上を飛びます。
 おそらく、相当数が途中で落鳥していることでしょう。日本に来ても、交通事故にあったり、捕食者に食べられたりします。野鳥たちは気楽にさえずっているように見えますが、毎日、本当に厳しい、生きるか死ぬかの戦いをしています。
 そんな背景を知りながら、プロミナーでオオルリの♂を見ると、一層愛らしく見えてきます。

 メーテルリンクの童話「青い鳥」、ニッサン自動車のブルーバードに使われているように青色に輝く鳥を見ると、なぜかうれしい気分になります。
 日本では、本種以外にもコルリとルリビタキが青い鳥です。

 今年の初夏は、オオルリに注目

(2010.04)






北岡明彦さんを紹介します
 1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、 日本全国を飛び回る。
 名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、 一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。 その人柄にもひかれて 「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。
ページを開いた本のイラスト  『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」 「瀬戸自然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。





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