バックナンバー
■vol.01里山が荒れてるって本当?
■vol.02木を植えることは善…?
■vol.03生物多様性ってなんだろう?
■vol.04雑木林的思考のすすめ
■vol.05ナラ枯れ病について想う
■vol.06「マンサクのファイトプラズマ病」の動向
■vol.07森林の持つ働き(生態系サービス)について、ちょっと考えよう
■vol.08地球温暖化防止と森林の働き
■vol.09もうすぐクリスマス!
■vol.10自然界の落し物集め
■vol.11生物多様性条約第10回締結国
会議に思う
■vol.12楽しい春の森あるき・T
※このコーナーは、みなさんのご質問やご意見をもとに執筆されています。どんなことでも、お待ちしています。
こちら からどうぞ。

 その拾参 : 「楽しい春の森あるき」U

 春の森を歩くと、それだけでうきうきしてきますが、花や虫の名前がわかると、もっともっと楽しくなります。

 スプリング・エフェメラルなどの植物の花には、蜜や花粉を求めて、多くの昆虫が訪れます。植物たちは蜜や花粉を提供するかわりに、花粉を次の花に運んでもらいます。こうした花粉の運び屋となる昆虫などをポリネーターといいます。

 その代表のひとつがチョウたちです。チョウの生活史も多彩で、モンシロチョウのように年に5〜6回も発生をくり返す種類、アゲハチョウのように年2回春と夏に出現する種類、ミドリシジミやギフチョウのように年1回だけ出現する種類などがあります。

 そのなかには、年1回早春だけに現れるチョウたちがいます。里山では「春の女神」と愛称されるギフチョウやヒメギフチョウの他、コツバメ、ミヤマセセリ、ツマキチョウが4〜5月にのみ見られます。ブナ林では5月にスギタニルリシジミも姿を見せます。
 こうしたチョウたちは、年1回早春の1ヶ月だけ成虫で過ごし、すぐに卵→幼虫→蛹(さなぎ)になって、9ヶ月以上蛹の状態で過ごします。

 人間的な感覚でいくと、青春を謳歌する期間があまりに短くて、もったいない気がしてしまいます。テングチョウが1年の10ヶ月以上を成虫で過ごすのと比べると、可愛そうなんて思ってしまいますが、昆虫たちは、そんなこと気にしていないのでしょうね。

 森で出会うチョウたちにも、不思議な不思議な秘密がいっぱいあります。



※スプリング・エフェメラルの写真は
 こちらをごらんください。

(2010.03)






北岡明彦さんを紹介します
 1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、 日本全国を飛び回る。
 名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、 一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。 その人柄にもひかれて 「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。
ページを開いた本のイラスト  『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」 「瀬戸自然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。





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