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その参拾九 : 森の贈り物 縁起木(3)
比較的新しく縁起木として登場したのが、カシとカリンのコンビです。
もちろん、その心は「貸し借りん!」の語呂合わせで、人間関係が悪くならないように「お金があっても人に貸さない、お金がなくても人から借りない」ことを証して、2種類の樹木を植え、順調に財産を引き継ぐことを期待するものです。
カシ類なら種類は何でもよいのですが、一般的に庭園木として植えるのはシラカシかイチイガシです。一時期流行した「棒ガシ(棒状に仕立てた樫)」はシラカシとアラカシを使うことが多く、関東地方では前者を、関西地方では後者を多く使います。
棒ガシは生垣として多用されましたが、カシ類は成長が速く、10年もすると大木になって邪魔者扱いされることが多いようです。
一方、カリンは果実を果実酒にしたり、樹皮や実を楽しむために時々植えられますが、やはり大きくなって枝が邪魔になってしまいます。
このように、よほど大きな庭がある家以外では、カシ・カリンのコンビを植えることは、あまりお勧めできません。
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(2012.01) |
北岡明彦さんを紹介します
1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、
日本全国を飛び回る。 名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、
一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。 その人柄にもひかれて 「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。
『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」 「瀬戸自然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。 |
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