バックナンバー
 vol.1
 里山が荒れてるって本当?

 ■vol.2
 木を植えることは善・・・?

 ■vol.3
 生物多様性ってなんだろう?

 ■vol.4
 雑木林的思考のすすめ

 vol.5
 ナラ枯れ病について想う
 ■vol.6
 「マンサクのファイトプラズマ病」
 の動向
 ■vol.7
 森林の持つ働き(生態系サービス)
 について、ちょっと考えよう

 vol.8
 地球温暖化防止と森林の働き

 ■vol.9
 もうすぐクリスマス!
 ■vol.10
 自然界の落とし物集め
 ■vol.11
 生物多様性条約第10回締結国
 会議に思う

 ■vol.12
 楽しい春の森あるき・T
 ■vol.13
 楽しい春の森あるき・U
 ■vol.14
 亜熱帯の森に遊ぶ
 ■vol.15
 「幸せの青い鳥」オオルリ
 ■vol.16
 
マイ・フェイバリトゥ・スィング
 ■vol.17
 無器用な水生昆虫は地球史の
 生き証人・ヒメタイコウチ

 ■vol.18
 南の森は不思議の森・その1

 vol.19
 南の森は不思議の森・その2

 vol.20
 南の森は不思議の森・その3

 vol.21
 南の森は不思議の森・その4

 vol.22
 南の森は不思議の森・その5

 ■vol.23
 北の島は夢物語のような島・その1
 ■vol.24
 北の島は夢物語のような島・その2
 ■vol.25
 北の島は夢物語のような島・その3

 ■vol.26
 身近な自然を大切にしよう・その1

北岡明彦さんを紹介します
1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、日本全国を飛び回る。

名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。その人柄にもひかれて「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。

『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」 「瀬戸自ページを開いた本のイラスト然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。
■このコーナーは、みなさんのご質問やご意見をもとに執筆されています。
どんなことでも、お待ちしています。こちらからどうぞ。


 その弐拾七 : 身近な自然を大切にしよう  ―その2―

 私たちの比較的身近にある植物の中には、世界中でこの地域でしか見ることが出来ない、非常に貴重なものがあります。

 たとえば、モクレンの仲間のシデコブシやホシクサの仲間のシラタマホシクサ。
 ともに、東海地方に点在する小さな湿地にしか分布していません。その分布を地球儀に示すとしたら、針1本で十分です。愛知県の「県の木」ハナノキも、この地方と飛んで長野県大町市にただ一ヶ所生育しています。

 これらの植物は、昔、日本と大陸が連がっていた頃に大陸から分布を拡げたものが、日本列島が分離した後、大陸では何らかの理由で絶滅したものと推測されています。こうした種類を遺存固有種と呼びます。
 シデコブシは、愛知県ほぼ全域と岐阜県東濃〜西濃と三重県東部の丘陵地帯に点在する湿地やため池の周辺にのみ生育する種類で、その産地は500ヶ所を切っていることでしょう。まさに、地球上から絶滅寸前の状態にありますが、それ程保護の手が伸びているとは言えません。

 このシデコブシは園芸植物としては世界的に有名な種類で、スターマグノリア(星のように咲くモクレン)という素晴らしい名前で知られています。日本でも古くから園芸樹木として植えられていたようで、江戸時代中期の著名な画家、伊藤若冲が描いた金刀比羅宮奥書院の襖絵「花丸図」には、ボタン・テッポウユリ・ヒマワリなどと一緒に見事にシデコブシが描かれています。


 このように素晴らしい植物を意外と私たちの近くで見ることができます。もう一度、身近な植物に注目してみましょう。









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