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その弐拾六 : 身近な自然を大切にしよう ―その1―
今年の自然観察事始めは、正月2日に物見山に登りました。風もない午後、家族でのんびり海上の森散策です。
3時半には山頂に着き、プロミナーで、名古屋城・岐阜城・小牧城を確認。久しぶりに見た山頂直前のタマミズキは、かなり大きな木に成長していました。山頂のコナラ大木がカシノナガキクイムシ被害で枯れたのはとても残念ですが、これも時の流れです。反対に、下りの林道沿いでは新たにアカガシの実生3年くらいの苗を見つけました。これは新発見です。
海上の森に深く関わってから、もう20年以上になりますが、この間変わらないものも、変わったものもあります。
森の一生は約800年、私たちが生きている間に見られる森の変化は、長い森の一生からすればごく短いものです。本当はじっくり、気長に考えることが一番大切ですが、せっかちな人間の活動があまりに急激なため、その対応にいつも苦慮します。
帰路は多度神社に初詣でをして、ツブラジイ林の下でムヨウランの結実株も見つけました。わずか半日で、本当に数多くの動植物が見られる場所があるというのは、何と幸せなことでしょう!
遠くの素晴らしい自然を楽しむのも気分転換には最高ですが、やはり、身近な所にある自然こそ、一番大切なものであることを再確認した正月でした。
タカ類が飛ばなかったのは、すごく心残りでしたが・・・・・。
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(2011.02) |
北岡明彦さんを紹介します
1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、
日本全国を飛び回る。 名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、
一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。 その人柄にもひかれて 「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。
『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」 「瀬戸自然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。 |
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