バックナンバー
■vol.01里山が荒れてるって本当?
■vol.02木を植えることは善…?
■vol.03生物多様性ってなんだろう?
■vol.04雑木林的思考のすすめ
■vol.05ナラ枯れ病について想う
■vol.06「マンサクのファイトプラズマ病」の動向
■vol.07森林の持つ働き(生態系サービス)について、ちょっと考えよう
■vol.08地球温暖化防止と森林の働き
■vol.09もうすぐクリスマス!
■vol.10自然界の落し物集め
■vol.11生物多様性条約第10回締結国
会議に思う
■vol.12楽しい春の森あるき・T
■vol.13楽しい春の森あるき・U
■vol.14亜熱帯の森に遊ぶ
■vol.15「幸せの青い鳥」オオルリ
■vol.16マイ・フェイバリトゥ・スィング
■vol.17無器用な水生昆虫は地球史の
生き証人・ヒメタイコウチ
■vol.18南の森は不思議の森・その1
■vol.19南の森は不思議の森・その2
■vol.20南の森は不思議の森・その3
■vol.21南の森は不思議の森・その4
■vol.22南の森は不思議の森・その5
■vol.23北の島は夢物語のような島・その1
■vol.24北の島は夢物語のような島・その2
■vol.25北の島は夢物語のような島・その3
■vol.26身近な自然を大切にしよう・その1
■vol.27身近な自然を大切にしよう・その2
■vol.28身近な自然を大切にしよう・その3
※このコーナーは、みなさんのご質問
やご意見をもとに執筆されています。
どんなことでも、お待ちしています。
こちら からどうぞ。

 その弐拾九 : 人工林問題について想う  ―その1―

 今、私は愛知県の林業専門の職員(林学職として採用)を経て、豊田市役所森林課に勤務しています。

 その中での役割は、ゼロからの森林課立ち上げに当たっての指導と事業実施に関する技術アドバイザー的な働きが中心です。なぜなら、市町村という行政レベルでは林業専門の職員の採用が難しいことから、本当の意味でのプロの育成が出来ないからです。

 全国の市町村では最も職員数が多いと思われる豊田市森林課ですら、正規職員は20名です。そのため、一度林業専門職として採用してしまうと転勤する場所すら無く、能力のある人材の昇進もごく限られてしまいます。全く縁のない税務課や高齢者福祉課から突然異動してくる可能性もあります。その場合、いくらやる気があっても、スギやヒノキ、人工林と天然林、間伐という基礎的な言葉すら全く知らない者が事業を担当することになります。そして3年を経て、やっと一人前に仕事が出来るようになったころに、また異動ということもあります。
 職員数と人事管理面から行政職(一般職)として採用するしかない市町村では、プロフェッショナル(専門家)ではなくジェネラリスト(何でも屋)の育成を目指さざるをえない実状があります。

 そういう情況の中で「森づくりは百年の計」という遠大な事業を継続的に実施するのは本当に難しいものがあります。事業を完遂するまでに、社会情勢が大きく変化したり、自然環境が大きく変化することが予想されます。
 それに対してフレキシブルに対処していくには、やはり専門的でかつ幅広い知識を持った人材が必要です。

 結局、森づくりイコール人づくりだという結論になります。










北岡明彦さんを紹介します
 1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、 日本全国を飛び回る。
 名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、 一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。 その人柄にもひかれて 「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。
ページを開いた本のイラスト  『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」 「瀬戸自然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。





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