※このコーナーは、みなさんのご質問やご意見をもとに執筆されています。どんなことでも、お待ちしています。
こちら からどうぞ。
|
|
その六拾参 : 森を楽しむ(盛夏編) その2
夏は高山へ行こう!
「夏にな〜れば 思い出す〜」のはミズバショウ咲く尾瀬ではなく、やはり高山植物がいっぱい咲く高山の風景です。
暑くて苦しい針葉樹林帯をやっとの思いで抜け出したあと、眼前に現れるハイマツ林と高茎草原のお花畑の素晴らしさ、まさに「ブラボー!」の一瞬です。
さらに進んで稜線に出た時の強い風と、いかにも高山植生らしい岩原草原のお花畑を構成する高山植物たちとの再開。この感動こそが、私にとって山登りの醍醐味です。
北海道・東北・北アルプス・中央アルプス・南アルプス・八ヶ岳・白山と、地域ごとに高山植物の顔触れは異なります。さらに詳しく観察すると、ひとつの山ごと、もっと狭い場所ごとに植生は大きく変わります。
私の大好きなサクラソウの仲間にも高山植物があります。本州中部の日本海側多雪地の高山には、ハクサンコザクラ・ユキワリソウ・オオサクラソウの3種類が生育し、どの種類も出会えた時のうれしさは格別です。
小さく可憐で花色は薄桃色のユキワリソウ、やはり小柄ながら花色が濃いピンクで目立つハクサンコザクラ、花も葉も全体が大きく豪快なオオサクラソウと三者三様の美しさを誇ります。
3種類まとめて見られるのは八方尾根と白馬乗鞍岳の組み合わせです。同時にシラネアオイやキヌガサソウも見ることができ、まさに花・花・花満喫コースです。
皆さんも挑戦してみて下さい。
|
(2013.07) |
北岡明彦さんを紹介します
1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、
日本全国を飛び回る。 名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、
一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。 その人柄にもひかれて 「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。
『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」 「瀬戸自然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。 |
|