※このコーナーは、みなさんのご質問やご意見をもとに執筆されています。どんなことでも、お待ちしています。
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その八拾 : 花巡り、礼文島・利尻島の思い出(4)
次に利尻島です。利尻島は中央に利尻山(1.721mで別名利尻富士)がズドンとそびえる実に格好いい島で、いつもフェリーで近づくにしたがい胸の高まりを感じます。
残念ながら利尻山は「花の百名山」に選ばれてしまったため、完全なオーバーユースの状態にあります。2004年7月5日に登った時も、リシ リヒナゲシやリシリゲンゲなど、あこがれの花
との対面に感動した半面、山頂間近の急登では 登山道が1m以上の溝となってしまって、その惨状に驚きました。このままでは高山植物や高山昆虫への影響が懸念されます。
北海道でもベスト5に入る花の名山ですが、 相当のハードコースですので、心して登山して ください。
今回はたった一日の滞在でしたが、利尻島の特徴である冷温帯性針葉樹林と高層湿原を駆け足で訪問しました。
まず、姫沼の遊歩道を散策しました。エゾマツとトドマツの常緑針葉樹林で
ダケカンバが多く混じります。林床には、オオツリバナ・ムラサキツリバナ・エゾスグリ・シウリザクラなどの低木、マイヅルソウ(超多産)・ツバメオモト・オオアマドコロ・ヒメムヨウランなどの草本が見られ、実に楽しい森歩きができました。コマドリ・クロジ・ヒガラなどの声も響いていました。深山の雰囲気が満ち満ちていました。たったひとつの欠点は、私の天敵「ツタウルシ」の超多産で、ビクビクしながらの散策となってしまいます。
次に南浜湿原を訪問しました。アカエゾマツに囲まれた高層湿原で、期待していたホロムイイチゴが咲き始めており、ワタスゲ・ミツガシワ・ミツバオウレンなども咲いていました。これから、イソツツジ・ツルコケモモ・カキツバタなどが見事に咲いていきます。
このように、利尻島はまさに『森の島・利尻島』です。
皆さんも、ぜひ、それぞれ違った特徴を持つ北の島を訪れてみて下さい。
感動の連続は間違いなしです。海の幸にも感激です。
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(2014.08) |
北岡明彦さんを紹介します
1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、
日本全国を飛び回る。 名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、
一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。 その人柄にもひかれて 「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。
『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」 「瀬戸自然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。 |
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