バックナンバー
■vol.01里山が荒れてるって本当?
■vol.02木を植えることは善…?
■vol.03生物多様性ってなんだろう?
■vol.04雑木林的思考のすすめ
■vol.05ナラ枯れ病について想う
■vol.06「マンサクのファイトプラズマ病」の動向
■vol.07森林の持つ働き(生態系サービス)について、ちょっと考えよう
■vol.08地球温暖化防止と森林の働き
■vol.09もうすぐクリスマス!
■vol.10自然界の落し物集め
■vol.11生物多様性条約第10回締結国
会議に思う
■vol.12楽しい春の森あるき・T
■vol.13楽しい春の森あるき・U
■vol.14亜熱帯の森に遊ぶ
■vol.15「幸せの青い鳥」オオルリ
■vol.16マイ・フェイバリトゥ
・スィング
■vol.17無器用な水生昆虫は地球史の
生き証人・ヒメタイコウチ
■vol.18南の森は不思議の森・その1
■vol.19南の森は不思議の森・その2
■vol.20南の森は不思議の森・その3
※このコーナーは、みなさんのご質問やご意見をもとに執筆されています。どんなことでも、お待ちしています。
こちら からどうぞ。

 その弐拾壱 : 南の森は不思議の森 ―その4―

      やっぱり スゴイ! ハブ三兄弟

 日本にいる陸上毒蛇は5種類。そのうち身近にいるのはマムシとヤマカガシで、残りのハブ、ヒメハブ、サキシマハブは奄美大島以南に生息します。

 これらのハブ3種類を見るのは、私の夢のひとつでしたが、今年7月に徳之島でハブをじっくり観察する機会があり、夢が成就できました。南の島に出かけ始めて6年。昨年8月の西表島でサキシマハブ、08年11月の徳之島でヒメハブを見ており、ハブだけはなかなか出会えませんでした。私が南の島へ出かけるのは冬の間が多いこと、夜間観察をあまりしなかったことが、ハブたちと縁遠かった原因です。

 じっくり見たハブ三兄弟は、それぞれ性格が異なるようです。
 末弟格のヒメハブ(奄美大島〜沖縄本島)は小型で実にのんびりしていて、木の枝でつついても動ぜず、枝で持ち上げても、そのままの格好で移動させてくれます。足で踏んでもほとんど反応しない程です。一体どういう性格なのでしょう。
 長男格のハブ(ヒメハブと同域)は大型で攻撃的。行動は素早く、とぐろを巻いて、こちらを睨みつける迫力はスゴイ!と思わせるものがありました。ハブの眼には赤と白の二色があるようですが、私の見たのは白目でした。
 次男格のサキシマハブ(石垣島・西表島)は大きさも性格も両者の中間的な感じですが、どちらかといえばヒメハブに似ていました。

 3種ともに胴体の模様は美しく、三角形の頭部も格好良く「うーん、さすがにハブは違うナー。スゴイなー!」というのが実感です。


ヒメハブ 2009.11.23 徳之島井之川岳
(2010.10)






北岡明彦さんを紹介します
 1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、 日本全国を飛び回る。
 名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、 一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。 その人柄にもひかれて 「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。
ページを開いた本のイラスト  『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」 「瀬戸自然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。






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