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その参拾五 : 植物の分布の不思議(3) ヤワタソウ
日本に自生するシダ植物以上の高等植物は、約7.000種といわれています。それを構成する科数は約230、属数は約1.360に達します。
日本の植物相は、世界の中でも固有種の多いことが大きな特徴のひとつですが、属のレベルでも日本固有というグループが割にたくさんあります。
その例として、シラネアオイ・トガクシソウ・レンゲショウマ・クサヤツデなど花が美しいものがあるほか、愛知県にも分布するものとしては、ヤワタソウ・ホツツジ・イナモリソウなどの属があります。
このうちユキノシタ科のヤワタソウ属は、本州中部以北にあるヤワタソウ、四国・九州にあるワタナベソウの2種類から構成される、ごく小規模な属です。
ヤワタソウは径12mm程で淡黄色の可愛らしい5弁花と、葉柄が盾状につく直径20cmを超える大型の葉が特徴で、山地帯の湿潤な林床に生える多年草です。
北設楽郡や豊田市の旭地区や稲武地区で時々見られますが、その美しさと珍しさから、見つけるとドキッとしてしまいます。
一度、身の回りにある、日本固有植物捜しに挑戦してみてはいかがでしょうか?
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(2011.09) |
北岡明彦さんを紹介します
1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、
日本全国を飛び回る。 名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、
一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。 その人柄にもひかれて 「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。
『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」 「瀬戸自然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。 |
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