※このコーナーは、みなさんのご質問やご意見をもとに執筆されています。どんなことでも、お待ちしています。
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その五拾 : マンガにちょっと登場する動植物(5) ムササビ
前回紹介した“由井正雪の巻”には、岩石入道と同じ伊賀六忍として、むささび(忍者の名前)が登場します。
その忍法は・・・。誰でも想像できるとおり、体に風呂敷状の飛膜をつけて大木の梢から滑空し、一挙に移動するという術です。マンガには名前は出てきませんが、間違いなく忍法『むささび』でしょう。一回の滑空で200m以上移動できるという設定になっています。
しかし、この術にはいろいろな問題点があります。まず、何といっても一番の課題は普通人の体型の忍者むささびが、せいぜいシーツ1枚の大きさの布でどうやって滑空するのか?です。これが可能なら誰でもやれそうですが、きっと忍者だから飛べるのでしょうね。皆さん、真似しないで下さい!
私は小学生時代に、影丸の得意な『木の葉がくれの術』をよく練習した、というか、友達に枯れ葉をぶつけて遊んだことを覚えています。もちろん影丸ほど多量の木の葉は出せませんが、気分はしっかり忍者でした。
次の課題は、滑空している時の防御です。滑空中は絶対に手足を広げていないと自重で落下してしまいますから、攻撃されたら、ジ・エンドとなります。
私の心配したとおり、むささびは、陰流の忍者弥九郎が使う忍法『影ぬいの術』により、六忍の中で一番最初に倒されてしまいました。もっとも、毒ふくみ針で弥九郎も倒すという相打ちでしたが。忍者の世界は本当にすごいですね。
皆さん、ぜひ伊賀の影丸を自然観察の心を持って、読み返してください。
・・・カットをクリックすると “忍法空蝉” 登場のシーンが現れます ・・・
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(2012.09) |
北岡明彦さんを紹介します
1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、
日本全国を飛び回る。 名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、
一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。 その人柄にもひかれて 「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。
『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」 「瀬戸自然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。 |
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