※このコーナーは、みなさんのご質問やご意見をもとに執筆されています。どんなことでも、お待ちしています。
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その五拾壱 : 森を楽しむ(秋編) その1
「自然観察は五感を通して!」という合言葉は、自然観察リーダー育成の第一歩です。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感全体で森を楽しめるようになると、森林ウォーキングの楽しさは5倍になります。さらに、ちょっとしたプラスαが加われば最高です。
秋はどんぐりの季節ですから、どんぐりを通して森を五感で感じる手法をふたつお話しましょう。
第1回は「どんぐり笛作り」です。この笛は甲高い金属製ホイッスルと違い、高音ながら少し優しい音がします。笛作りに一番適した種類は、大型でどんぐりの殻が厚いトゲトゲパンツのアベマキとクヌギです。必要な道具は長さ5cm程度の釘一本だけ。下図の通りに作れば、所要時間約15分で、小学校高学年以上なら可能です。
作成ポイントは、あせらずゆっくり作ること。特に上蓋をはずして中の子葉を取り出す作業で、殻に穴を開けてしまうことがよくあります。穴が開いてしまったら、また作り直しです。
あとは上手に吹くことですが、これには慣れが必要です。音は少しずつ異なり、どんぐりが大きい程、口が小さい程低音が出ますので、ひょっとしたら、どんぐり笛合奏団が出来るかもしれません。
その他、ヤブツバキの実やイスノキの虫こぶで作った笛も良い音がしますので、皆さんも野性の笛作りに挑戦してみて下さい。
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(2012.11) |
北岡明彦さんを紹介します
1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、
日本全国を飛び回る。 名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、
一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。 その人柄にもひかれて 「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。
『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」 「瀬戸自然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。 |
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