散 歩 道



ブナの森で会ったキノコたち

コガネヤマドリ(黄金山鳥)
ブナ科の樹林内に発生。
キアシヤマドリタケ(黄脚山鳥茸)と似るが、カサの色・質感と柄の上部に白色の網目が弱くあることで判別可能。全体的に色合いがのっぺりしている。
管孔は成熟前は菌糸に覆われる。


サクラタケ(桜茸)
淡い紫色―淡い紅色の小型の落葉分解菌。ブナ林以外でも見られる。条線があり、ヒダは横に連結する。

サトタマゴタケ(里玉子茸)
タマゴタケ(玉子茸)から2024年に分類された隠蔽種。
冷涼な高山性のタマゴタケよりも温暖な低地性のキノコ。現在は形態的に分類する方法はないが標高・時期・年平均気温で90%判別できるようなので判定した。
※隠蔽種(いんぺいしゅ)=本来別種であるにもかかわらず、外見的特徴の類似をはじめとする理由から同種と判断されていた種。


スミゾメヤマイグチ(墨染山猪口)
林内のシデ類付近に生える。傷つけると赤変のち黒変する。カサがより暗色で、ひび割れないことからイロガワリヤマイグチ(色変わり山猪口)と区別できる。

ツキヨタケ(月夜茸)
ブナの枯れ木でよく見られる毒キノコ。ヒラタケ(平茸)やムキタケ(剥茸)などの食用菌に間違われることが多いが、カサ表面の鱗片、柄にあるツバ状構造、柄の基部断面の黒いシミなどから判別可能。有名な発光菌。
    ツギハギハツ(継ぎ接ぎ発)
ブナ林で見られるキノコ。ブナ科の林やアカマツ林でも見られる。
ベニタケの仲間で一見真っ白に見えるが、薄黄色い表皮がひび割れ、アイタケ(藍茸)のような模様を作る。

ヌメリツバタケ(滑り鍔茸)
ブナの枯れ木でよく見られる白色の綺麗なキノコ。カサはぬめり、ヒダはやや縮れる。ヒダの縮れの大きなものは別種のヌメリツバタケモドキとされていたが、ヌメリツバタケの亜種だと判明した。
ハナホウキタケ(花箒茸)
判別が難しいためハナホウキタケとする。ホウキタケの一種。色鮮やかで、遠くからでもよく目につく。ブナ林のキノコではないが、山地に行かないとあまり出会うことができないキノコではある。

フチドリベニヒダタケ(縁取り紅襞茸)
広葉樹倒木から発生、やや稀。カサ表面の鱗片からなる模様が特徴的。名前の由来はヒダの縁部が褐色に縁取られていることから。

ツリガネタケ(釣鐘茸)
ブナ等の広葉樹より発生する多孔菌類。
大型小型の二種類がある。
ブナから生えていたものは大型で15㎝以上のものもあった。

ムカシオオミダレタケ(昔大見垂れ茸)
ブナの枯れ木から生える大型のキクラゲ類。
大きさ15㎝、厚さ10cm程にもなるゼラチン質のキノコ。キクラゲ類にはあまり見られないひだの形態をとる。

チシオタケ(血汐茸)と
タケハリカビ(茸針黴)
チシオタケから発生していることが多いカビの一種。
キノコから生えるカビ。
ヒポミケス菌などと違い、肉眼で見える胞子嚢などは作らない。



カブトゴケ(兜苔)類

タケリタケ(猛り茸)
ヒポミケス菌の一種で、テングタケ(天狗茸)の仲間から発生する。
宿主はおそらくタマゴテングタケモドキ(玉子天狗茸擬き)。テングタケ類の発生が多いのでこのような種も見られるのだろう。
湿った広葉樹の幹に着生する地衣類の一種。
人の手が入らないブナ林ではよくみられる。
凹凸模様と色が美しい地衣類。
菌類と藻類の共生した生物、ある意味キノコ?


愛知県豊田市、設楽町
面の木園地ブナ林にて

2024年9月中旬

撮影&ミニ解説 by カイト










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