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森のひとり言
■vol.1 〜 ■vol.100
森のひとり言・New
■vol.101
原点に帰って、人工林と天然林(1)
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原点に帰って、人工林と天然林(2)
■vol.103
原点に帰って、人工林と天然林(3)
■vol.104
原点に帰って、人工林と天然林(4)
■vol.105
原点に帰って、人工林と天然林(5)
■vol.106
原点に帰って、人工林と天然林(6)
vol.107
日本の森林は素晴らしい
※このコーナーは、みなさんのご質問やご意見をもとに執筆されています。どんなことでも、お待ちしています。
こちら からどうぞ。

 その壱百八 : 自然のしくみを楽しもう(1)

 一昨年の3月末で41年に及ぶ公務員生活を卒業した虚脱感などで、しばらく「森のひとり言」を休稿していましたが、今回から復活させていただきます。

 今度のテーマは、私の活動の原点ともいえる「自然のしくみを楽しもう」です。自然の楽しみ方は百人百様、ひとりずつ異なります。出発点は単純に「わーこの花きれい!」「この虫格好いい!」に違いありません。子供の時の純粋さを大人になって復活させることは、自然観察の楽しさの原点のひとつです。
 日本国内に自生する種子植物だけで5000種以上あるといわれていますから、初めて見る植物を楽しむだけでも寿命が尽きてしまいます。でも普通は10年程度で、少し飽きてしまいます。

 「自然観察会や探鳥会で自然好きな人と出会って話すのが最大の楽しみ」という人もいますが、それは邪道であり本道ではありません。話をしながら、特に世間話をしながら自然を楽しむ、何てのは、他の真剣な参加者にとって「百害あって一利なし」です。本当に真剣に自然を観察するには五感を集中することが必要で、無駄話はあり得ません。もっとも、気分転換としての短い間の世間話ぐらいは有りですよ!

 そんな中で、何年たっても、何度同じ所を訪ねても、絶対に飽きることなく楽しめるのは「自然のしくみ」を考えながら観察することです。「自然のしくみ」は超複雑で、とても私たち人間の知識では理解できないものもたくさんありますが、それだけに、考えれば考えるほど、知れば知るほど楽しくて、夜も寝られなくなるほどです。

 次回から、そんな「自然のしくみ」をひとつずつ紹介していきましょう。もちろん同じくらい、新しい花を見たり新しい鳥を見たりする単純明快な楽しみも大切です。
 自然観察47年目(高校2年生から)の私が、昨年初めて見た花は27種類でした。中でも、待望のアマミエビネの美花を見た時の感動は、一生忘れることができません。




(2020.01)






北岡明彦さんを紹介します
 1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、 日本全国を飛び回る。
 名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、 一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。 その人柄にもひかれて 「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。
ページを開いた本のイラスト  『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」 「瀬戸自然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。









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