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森のひとり言
■vol.1 〜 ■vol.100
森のひとり言・New
■vol.101
原点に帰って、人工林と天然林(1)

※このコーナーは、みなさんのご質問やご意見をもとに執筆されています。どんなことでも、お待ちしています。
こちら からどうぞ。

 その壱百弐 : 原点に帰って、人工林と天然林(2)

 前回添付の参考資料「世界各国の森林面積」は、よく見ると、とても興味深
い表です。  ※「世界各国の森林面積〜森林率と人工林率」は こちら
 一見すると、味もそっけもない数字の羅列ですが、解析してみると、いろい
ろなことがわかります。

 私の講座では、しばしば、次のような質問をします。参加者に質問するとい
うのは眠気覚ましに最高の手法ですが、その答えが意外性を持つような質
問をすることが肝要です。

 @次の国の中で森林率(国土に占める森林の割合)が最も高いのはどこで
しょう?
  a.スイス b.カナダ c.オーストラリア d.日本 e.ブラジル

 正解は日本です。現在、日本はフィ
ンランド(73.1%)に次ぎ世界第2位
の森林国です(FAO2015資料)。実
は10年前の資料FAO2005では、第
1位フィンランド(74.5%)第2位スウェ
ーデン(70.2%)第3位日本(68.2%)
だったのが、FAO2015ではなぜか突
然スウェーデンの森林率が68.4%と急落したのです。統計基準の変更かもし
れません。
 かなりの方が、スイス・カナダ・ブラジルと答えられます。こちらの思う壺で
す。スイスやカナダは寒すぎて森林が育たない地域が多く、ブラジルは平野
部が思ったより多いのです。

 A世界で一番人工林率(森林に占める人工林の割合)が高い国はどこで
しょう?
 これは、もう、絶対に当てる人はいません。名前が上がる国は、日本・中国
・アメリカくらいで「皆目見当もつかない」という顔がほとんどです。
 まずは第1ヒント「ヨーロッパの国です」というと、リヒテンシュタインやモナコ
という声が上がりますが、これらの国は小さすぎてFAOの調査対象外です。
残念。
 次に第2ヒント「国土全体が埋め立てで作られた国です」でも、ほとんど答
えは出てきませんが、正解はオランダです。埋め立てでできた国ですから、
樹木はすべて植えたものです。

 でも、植えた木の種子が広がって木が増え、またその木の種子が広がって
できた森林は、天然林か人工林か?悩ましい。

 今、日本は戦後になって森林が増加しています。休耕田や休耕畑の森林
化、草原の森林化が全国で拡がったからです。しかし、その増加した森林が
問題なのです。








北岡明彦さんを紹介します
 1954年2月、名古屋市熱田区に生まれる。わずかに残る自然の中で「昆虫少年」として育つ。昆虫から植物、野鳥へと得意分野を広げながら、 日本全国を飛び回る。
 名古屋大学農学部林学科卒。愛知県林務課を経て、現在豊田市森林課勤務。日本自然保護協会の自然観察指導員。フィールドでの活動を重視し、 一年中、 公私の観察会で活躍。動植物全般の博識と森林の専門家としての教唆には絶大な信頼がある。 その人柄にもひかれて 「北岡ワールド」に魅せられた人々は多い。
ページを開いた本のイラスト  『中部の山々1,2』(東海財団)『日本どんぐり大図鑑』(偕成社)など執筆、編集。「面の木倶楽部」 「瀬戸自然の会」を主宰。愛知県瀬戸市在住。





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